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ウミガメとオサガメの種類と特徴

ウミガメとオサガメの種類と特徴

ウミガメの特徴:ウミガメ科6種類とオサガメ1種類の写真、ウミガメの8の特徴、分布(生息地域)、形態・サイズ、寿命、生態(生活状態)、食性(食べ物)、繁殖形態、人間との関係、ペットとしての飼育などのウミガメの特徴についてご紹介します。
ウミガメの種類:ウミガメ科(5属6種類)とオサガメ(1属1種類)もご紹介します。

ウミガメ6種類・オサガメ1種類の写真

ウミガメの特徴

ウミガメ科(Cheloniidae)は、世界中の海洋に生息する海洋生物で、7種が確認されています。以下にそれぞれの特徴を詳しく説明します。

分布(生息地域

分布(生息地域)

ウミガメ科は、熱帯から亜熱帯にかけての海洋に広く分布しています。 特に、太平洋、インド洋、大西洋に多く見られます。 ウミガメは広範囲に移動を行い、産卵場所と餌設置場所の間を何千キロも移動します。 各種によって異なりますが、浅い海岸やサンゴ礁、藻場などを好む場合が多いです。

アオウミガメやタイマイは熱帯から亜熱帯、ヒメウミガメは熱帯の海域に見られる。また、オサガメは寒帯を除く外洋域、ケンプヒメウミガメは西部太平洋、ヒラタウミガメはオーストラリア北部海域に見られる。

形態・サイズ

形態・サイズ

ウミガメは全体的に流線型の体を持ち、水中での泳ぎに適した前肢が長いヒレに変形しています。

ウミガメのサイズは種類によって異なりますが、平均して甲長が70〜150㎝、体重は50〜500㎏にも達します。例として、アオウミガメは甲長が最大で約1.5m、体重は200㎏以上に達します。ますが、長時間水中に潜っていることができます。

四肢は上下に平たく、特に前脚は長大である。泳ぐときは前脚を櫂のように使って水を掻き、後脚で舵をとる。海中を羽ばたくように泳ぐ姿は優雅にも見えるが、敵から逃げる際などはかなりの速度で泳ぐ。

甲は上下に平たく、後方に向かってすぼむ水滴形、もしくはハート形をしている。甲の表面は大多数のカメと同様堅固な甲板に覆われるが、ウミガメ科とは別グループのオサガメ(オサガメ科)のみ硬い甲板はなく皮膚で覆われている(背甲に7本の隆起がある)。

カメとしては大型。最小種のヒメウミガメでも成体になれば甲長60〜70cmとなる。最大種はオサガメで甲長130〜160cm。化石種では新生代始新世のエオスファルギスなど、甲長2mを超すものが多数生息していた。

食道内側の上皮組織には棘状の角質突起が胃の方に向かって密に並び、これにより潜水・浮上して胃の内外に急な気圧差が生じても食物を逆流させず胃へ運び、食物の余分な水分を排出する働きがあると考えられている。

寿命

寿命

ウミガメの寿命は非常に長く、約50〜100年生きることができると言われています。
成熟のに20年かかる場合が多く、成熟後も長寿であり、数十年にわたって繁殖活動を行っていますます。

生態(生活状態)

生態(生活状態)

ウミガメは大半の時間を海中で過ごし、遠洋を泳ぎながら餌と同時に生活を送っています。むために陸上に上がるのはこの時だけです。ウミガメは非常に強い方向感覚を持ち、産卵のために遠距離を移動して自分の故郷に戻ってくることができます。

基本的に生涯を海中で過ごしメスの産卵以外は陸上に上がらない。肺呼吸をする爬虫類なので、たまに海面に上がって息継ぎをする。採餌は海中で行い、海藻、海綿動物、クラゲ、貝、甲殻類などを食べる。

食性(食べ物)

食性(食べ物)

ウミガメは種によって異なる食性を持ちます。

●アオウミガメは主に草食で、藻類や海草を食べます。海藻等が無い外洋においてはクラゲ等一部動物性のものも食べています。
●タイマイは主に肉食で、海綿動物を食べることが多いです。
●アカウミガメやケンプヒメウミガメは雑食性で、クラゲ、甲殻類、魚類、貝類、タコ等動物性のものを食べます。

繁殖形態

繁殖形態

ウミガメは卵生です。 メスは産卵のために数年に一度、繁殖地の砂浜に戻ります。 一度に数十個から100個近くの卵を産み、砂に置きます。に砂から這い出して海に向かい、ここ一生をスタートさせます。

産卵の際、メスは砂浜に上陸し、潮が満ちてこないほどの高台に穴を掘ってピンポン玉ほどの大きさの卵を一度に100個ほど産み落とす。産卵後、メスは後脚で砂をかけて卵を埋め、海へ戻る。

砂の中に残された卵は2か月ほどで孵化し、子ガメは海へ旅立つ。小さい子ガメはほとんどが魚類や海鳥などに捕食され、成長できるのはわずかである。また砂浜から海に向かう最中も海鳥やカニ、フナムシなどに襲われる。

これらの捕食動物は沿岸部に多く棲息しており、子ガメはその先にある外洋を目指す。そのための生理現象として、巣穴から脱出直後の子ガメにはフレンジーとよばれる特殊な興奮期があり、子ガメはおよそ丸1日寝ずに泳ぎ続けることができる。

これは危険な沿岸部を素早く抜けるためのN.O.Sのようなものであり、生きて外洋に辿りつくだけで生存率は大きく上がると言われている。

子ガメは外敵の多い沿岸部を避けて外洋で分散して生活する。外洋である程度成長してから沿岸に帰ってくると言われているが外洋での生態には謎が多い。

なお、オーストラリアに分布するヒラタウミガメは外洋に出ず沿岸部で生活する。また、アカウミガメやアオウミガメの中には成熟した後も外洋で生活するものがいるという研究もある。

世界的なウミガメの産卵地は、米国東部、オマーン、日本である。このうち日本は北太平洋で唯一の産卵地である。

日本近海でこれまで記録があるウミガメは5種(ケンプヒメウミガメとヒラタウミガメを除く)で産卵の記録は3種のみである。

アカウミガメ – 福島県・石川県以南の本州・四国・九州・南西諸島。太平洋沿岸各地の砂浜で毎年産卵が確認される。日本海側は太平洋側に比べて少ない。

アオウミガメ – 南西諸島、小笠原諸島

タイマイ – 南西諸島各地で産卵の記録がある。
ウミガメは産卵の際、「涙を流す」といわれるが、これは涙腺から体内に溜まった塩分を体排出しているだけであり、正確には産卵中でなくとも常に彼らは「泣いて」いる。

眼球の背後には、眼球自体に匹敵する大きさまで肥大化した涙腺が存在し、これにより体内に取り込んだ余分な塩分を濾過し、常に体外に放出することで体内の塩分濃度を調節している。頭骨は、この肥大化した涙腺を収めるために眼窩同士を隔てる骨の壁が退化し、失われている。

人間との関係

人間との関係

ウミガメは古くから人間と関わりがあります。例えば、アオウミガメは食用になることがあり、甲羅やタイマイの殻は装飾品や工芸品として利用されてきました。

生態から、観光業や保護活動の対象にもなっています。現在では、多くのウミガメ種が限りなく希少種に指定されており、保護活動が行われています。

ウミガメとの関わりは古くからみられ、日本の童話中にも浦島太郎の説話があるように馴染み深い生き物である。人気怪獣のモデル(ガメラ)として映画などに利用されている。

日本における食用としてのウミガメの利用は、小笠原諸島におけるアオウミガメが最も有名である。1876年より日本領土となった小笠原諸島では、産業振興のためにアオウミガメ漁業が当時の農商務省により奨励された。

アオウミガメ漁業は現在も行われているが、漁獲量は当時に比べて種の保全を考えて上限がきめられている(養殖も試みられている)。このほか九州から紀伊半島の太平洋側の地域や伊豆諸島ではアカウミガメが食用にされてきた。

また沖縄県でも伝統的にウミガメは食用にされてきた。八重山地方を中心に一定の漁獲割り当てがあり、料理店で刺身や汁物、から揚げなどで提供されている。味のほうは良くもなく悪くもなく。

タンザニアでもかつては食用とされていた過去がある。今は禁止されている。

食用以外では、タイマイの甲の鱗板を加工した鼈甲は正倉院宝物などにもみられ宝飾用や工芸品の素材として珍重されている。しかし、タイマイは現在著しく個体数が減少しており、学術研究など特別な場合を除いて、本種を輸出入することは禁止されている。

カメの飼育環境

ペットとしての飼育

ウミガメは非常に大きく、特定の飼育環境を必要とするため、一般的にペットとして飼育されることはありません

また、国際的な保護条約(CITES)により、多くのウミガメ種の取引や飼育が厳格です水族館などでは飼育されていますが、個人が飼育することは倫理的、法律的に難しいです。

ウミガメの特徴のまとめ

ウミガメは、驚くべき適応能力を持つ海洋生物であり、長い寿命や移動距離、繁殖戦略など、多くの面で魅力的な特徴を持っています。
自然環境や海洋生態系の保全がウミガメの将来に重要な役割を果たしています。

ウミガメ 8の特徴

ウミガメの特徴を説明します。

甲羅:流線型で滑らかな甲羅を持ち、水中での移動がしやすい形状。
前肢:鰭のように発達しており、泳ぎに適している。後肢は主に方向を調整するために使われる。
呼吸:肺呼吸を行うため、水中で一定時間ごとに水面に浮上して息をする。
長寿:種によるが、一般的に寿命が長く、50年以上生きることもある。
移動距離:産卵のために何千キロも移動することがある。特に孵化した場所に戻って産卵を行う習性がある。
食性:種によって異なるが、クラゲ、海藻、甲殻類などを食べる。
産卵:メスは陸に上がって砂浜に穴を掘り、多数の卵を産む。
絶滅危惧種:多くのウミガメは乱獲や環境破壊、海洋プラスチックなどによって絶滅危惧種に指定されている。

ウミガメの種類

ウミガメ上科(2科6属7種類)

ウミガメ類はウミガメ科(6種)とオサガメ科(1種)の総称である。

ウミガメ科(5属6種類) Cheloniidae

1.アカウミガメ属 Caretta
・アカウミガメ
 学名:Caretta caretta 英名:Loggerhead turtle

2.アオウミガメ属 Chelonia
・アオウミガメ(分類:アオウミガメ、クロウミガメ)
 学名:Chelonia mydas 英名:Green turtle

3.タイマイ属 Eretmochelys
・タイマイ
 学名:Eretmochelys imbricata 英名:Hawksbill turtle

4.ヒメウミガメ属 Lepidochelys
・ケンプヒメウミガメ
 学名:Lepidochelys kempi 英名:Kemp’s ridley turtle
・ヒメウミガメ(別名:オリーブヒメウミガメ)
 学名:Lepidochelys olivacea 英名:Olive ridley turtle

5.ヒラタウミガメ属
・ヒラタウミガメ
 学名:Natator depressus  英名:Flatback turtle

オサガメ科(1属1種類)Dermochelyidae

6.オサガメ属 Dermochelys
・オサガメ
 学名:Dermochelys coriacea 英名:Leatherback turtle

※絶滅属・絶滅種は除く

引用: Wikipedia

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