スッポンの種類と特徴
スッポンの特徴:スッポン科33種類の写真、スッポンの9の特徴、分布(生息地域)、形態・サイズ、寿命、生態(生活状態)、食性(食べ物)、繁殖形態、人間との関係、ペットとしての飼育などのスッポンの特徴についてご紹介します。
スッポンの種類:スッポン科(13属33種類)もご紹介します。
目次
Toggleスッポン33種類の写真
スッポンの特徴
スッポン科(Trionychidae)は、カメ目に属する淡水カメの一種で、世界中の淡水域に生息しています。特徴としては、他のカメ類と異なり、柔らかい甲羅を持つことが大きな特徴です。以下に「分布」、「形態・サイズ」、「寿命」、「生態」、「食性」、「繁殖形態」、「人間との関係」、「ペットとしての飼育」について詳しく説明します。
分布(生息地域)
スッポン科のカメは、アジア、アフリカ、北アメリカなどの地域に広く分布しています。特に東アジア(日本、中国、韓国など)や東南アジア、インド亜大陸の川や湖、沼地などの淡水域に多く見られます。種類によっては、乾燥地帯の一時的な水たまりや湿地にも適応しています。
アフリカ大陸、ユーラシア大陸、アメリカ合衆国、インドネシア、日本、パプアニューギニア、メキシコ
手取層群北谷層(福井県勝山市)での第1次から第3次恐竜化石発掘調査(1989-2010年)で発見された白亜紀前期の化石が世界最古とされており、白亜紀前期の化石が東アジアでのみ発見されていることから東アジアから世界に分布が広がっていったと考えられている。
形態・サイズ
スッポンの最大の特徴は、甲羅が他のカメのように硬くなく、柔らかくて革のような質感を持っている点です。このため「ソフトシェルタートル(softshell turtle)」とも呼ばれます。体色は茶色や灰色、緑がかった色をしており、環境に応じて保護色となっています。
サイズは種によって異なりますが、一般的には甲長が20~50cm程度になります。特に大型種であるミナミイシガメ(Pelodiscus sinensis)は60cm以上に達することもあります。体型は流線型で、泳ぎが得意なため水中生活に適した形状をしています。
淡水域に生息するカメ目の構成種では最大級の大型種が含まれるが標本が現存したり、実際に計測した数値に基づく記録、信憑性の高い記録は少なく最大種に関しては複数の説がある。
一例として甲長100㎝以上の記録がある、もしくは推定される種はインドコガシラスッポン(標本に基づく記録で甲長110㎝)、タイコガシラスッポン(最大甲長122㎝)、カントールマルスッポン(最大129㎝だが甲幅が小さいことから疑問視する説あり)、ビブロンマルスッポン(最大甲長102㎝)シャンハイハナスッポン(推定甲長104.1㎝)、ナイルスッポン(現存する標本で最大甲長101.5㎝、推定110㎝以上)の6種に限られる。
最小種はヒラタスッポンで最大甲長26㎝。
角質甲板が退化し、骨甲板は皮膚で覆われる。甲羅を含め全身に大型鱗が無いため、皮膚呼吸(体表のみならず総排泄孔や咽頭粘膜からもガス交換を行う)も盛んに行う。
背甲は扁平な種が多く、底質に潜りやすくなり隠蔽性を高めていると考えられている。腹甲の可動性が大きいため頸部や四肢を収納した後、背甲と腹甲の隙間を閉じることができる。
フタスッポン亜科ではこれに加えて後肢の基部に蓋状の器官(フラップ)があり、これにより乾燥を防ぐ効果があると考えられている。
吻端が突出し、細長い管状になる。上顎及び下顎を覆う角質の鞘(嘴)は、肉質で覆われる。頸部は長く、頸部の筋力も強い。指趾には水掻きが発達し、第1 – 3指にのみ爪がある。
寿命
野生のスッポンは、20年から30年ほど生きるとされていますが、飼育下では40年以上生きる個体も報告されています。
長寿の原因は、自然界での捕食者が少なく、また生息環境にうまく適応していることが理由の一つです。
生態(生活状態)
スッポンは主に淡水域で生活し、川、湖、沼、湿地などに生息しています。基本的には水中で活動することが多く、泳ぎが非常に上手です。泥の中に潜ってじっとしていることが多く、外敵や気温の変化から身を守るため、泥の中に隠れる行動をとります。
また、夜行性の傾向があり、昼間は泥や水底に潜んでおり、夜になると活発に動き回ります。呼吸のために時々水面に顔を出しますが、鼻孔が細長く突き出ているため、水に顔を出さずとも少しだけ鼻を水面に出すことで呼吸が可能です。
主に淡水域に生息するが、マルスッポン属は汽水域や海域で見られることもある。フタスッポン亜科では乾季に泥中で休眠する種もいて、フラップが役立つと考えられている。
食性(食べ物)
スッポンは雑食性で、主に魚、カエル、甲殻類、貝類などの動物性の餌を好みますが、水生植物や果実なども食べることがあります。
水中で素早く泳いで獲物を捕らえる能力が高く、待ち伏せして餌を捕らえることも得意です。飼育下では、生きた魚や昆虫、専用のカメの餌などが与えられます。
自然化では食物を探索して動きまわる種が多いが、コガシラスッポン属やマルスッポン属は底質に身を潜め、獲物が通りかかると瞬時に首を伸ばす待ち伏せ型の捕食を行います。
繁殖形態
スッポンの繁殖期は春から夏にかけて行われます。メスは産卵のために水辺の砂地や柔らかい土壌を選び、1度に10~30個の卵を産みます。
卵は約60日ほどで孵化し、孵化後の子ガメはすぐに水中に入り自力で生活を始めます。母親が子供を保護することはなく、孵化直後から独立して行動します。
人間との関係
スッポンは古来から食用としても親しまれてきました。特に日本や中国では、滋養強壮の効果があるとされ、スッポン料理が珍味として人気です。
また、伝統的な漢方薬の材料としても使われることがあります。一方で、乱獲によって一部の地域では個体数が減少しているため、保護対象となっていることもあります。
生息地では食用とされることもある。日本に分布するスッポンも各地で食用として繁殖されたため分布の撹乱が起こっており、移入個体群が確認されている。
開発による生息地の破壊や、水質汚染、食用の乱獲などにより生息数が減少している種もいる。
ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。大型種が多いため、大型のケージが用意できない場合は一般家庭での飼育には適していない。
ペットとしての飼育
スッポンはそのユニークな見た目と生態からペットとしても飼育されていますが、飼育にはいくつかの注意点があります。
- 水槽環境:広いスペースが必要で、特に水深を深くすることが重要です。また、水質の管理も徹底しなければならず、ろ過システムが必要です。
- 温度管理:水温を適切に保つことが必要で、ヒーターで温度調整をすることが求められます。
- 食事:生きた魚やエビ、昆虫などを与えることが多いですが、栄養バランスを考慮したカメ用のペレットも適しています。
- 注意点:気性が荒い個体もいるため、扱いには注意が必要です。特に咬みつく力が強く、人に対して危険な場合もあるため、直接触れる際には注意が必要です。
また、スッポンは長寿であるため、飼育する際には長期的な責任を持つことが求められます。
スッポン 9の特徴
スッポンの特徴を説明します。
・硬い甲羅:スッポンは平たく、丸い甲羅を持っており、他の亀よりも柔らかい特徴があります。
・長い首:首が長く、頭をすばやく伸ばして噛むことができるため、注意が必要です。
・鋭い口:鋭い顎と強力な噛む力を持ち、攻撃的な性格で、指などを噛むことがあります。
・水生生物:スッポンは主に淡水の湖、川、沼地などに生息し、泳ぎが得意です。
・雑食性:魚、エビ、昆虫、水草などを食べる雑食性の生物です。
・夜行性:昼間は泥の中に潜んでおり、夜になると活動的になります。
・高い再生力:怪我をしても治癒力が高く、再生能力を持っています。
・食用としての価値:日本では滋養強壮に良いとされ、高級食材として扱われることがあります。
・寿命:30年以上生きることができる、長寿の動物です。
スッポンの種類
スッポン科(13属33種類)Trionychidae
●フタスッポン亜科 Cyclanorbinae
1.キタフタスッポン属 Cyclanorbis
・セネガルフタスッポン
学名:Cyclanorbis senegalensis
・ヌビアフタスッポン(別名:ヌビアスッポン)
学名:Cyclanorbis elegans
2.ミナミフタスッポン属 Cycloderma
・オーブリーフタスッポン
学名:Cycloderma aubryi
・ザンベジフタスッポン
学名:Cycloderma frenatum
3.ハコスッポン属 Lissemys
・ハコスッポン(分類:ミナミインドハコスッポン、キタインドハコスッポン、ビルマハコスッポン)
学名:Lissemys punctata 英名:Indian flapshell turtle
●スッポン亜科 Trionychinae
4.インドシナオオスッポン属 Amyda
・インドシナオオスッポン
学名:Amyda cartilaginea 英名:Asiatic giant softshell turtle
・東南アジアスッポン
学名:Amyda ornata 英名:Southeast asian softshell turtle
5.アメリカスッポン属 Apalone
・フロリダスッポン
学名:Apalone ferox 英名:Florida softshell turtles
・スベスッポン(分類:ミドランドスベスッポン、ガルフコーストスベスッポン)
学名:Apalone mutica 英名:Smooth softshell turtle
・トゲスッポン(分類:ヒガシトゲスッポン、ガルフコーストトゲスッポン、クロトゲスッポン、テキサストゲスッポン、グアダルーペトゲスッポン、ニシトゲスッポン、ウスイロトゲスッポン)
学名:Apalone spinifera 英名:Spiny softshell turtles
6.コガシラスッポン属 Chitra
・インドコガシラスッポン
学名:Chitra indica 英名:Indian narrow-headed softshell turtle
・タイコガシラスッポン
学名:Chitra chitra 英名:Southeast Asian narrow-headed softshell turtle
・ビルマコガシラスッポン(別名:ミャンマースッポン、ヴァンダイクスッポン)
学名:Chitra vandijki 英名:Burmese narrow-headed softshell turtle
7.ヒラタスッポン属 Dogania
・ヒラタスッポン(別名:マレースッポン)
学名:Dogania subplana 英名:Malayan softshell turtle
8.ミヤビスッポン属 Nilssonia
・ミヤビスッポン(別名:ビルマクジャクスッポン)
学名:Nilssonia formosa 英名:Burmese peacock softshell turtle
・ガンジススッポン
学名:Nilssonia gangetica 英名:Indian soft-shell turtle
・クジャクスッポン
学名:Nilssonia hurum 英名:Peacock soft-shell turtle
・リーススッポン
学名:Nilssonia leithii 英名:Nagpur soft-shell turtle
・クロスッポン
学名:Nilssonia nigricans 英名:Black softshell turtle
9.イボクビスッポン属 Palea
・イボクビスッポン(別名:アカネスッポン、スタインドハナースッポン)
学名:Palea steindachneri 英名:Wattle-necked soft-shelled turtle
10.マルスッポン属 Pelochelys
・ビブロンマルスッポン(別名:ハナマルスッポン)
学名:Pelochelys bibroni 英名:Bibron’s giant softshell turtle
・カントールマルスッポン(別名:マルスッポン)
学名:Pelochelys cantorii 英名:Cantor’s giant softshell turtle
・ゴマダラマルスッポン(別名:ニューギニアオオスッポン)
学名:Pelochelys signifera 英名:Varigated giant softshell turtle
11.スッポン属 Pelodiscus
・湖南スッポン
学名:Pelodiscus axenaria
・アムールスッポン(別名:中国北部スッポン、ニホンスッポン)
学名:Pelodiscus maackii
・中国スッポン
学名:Pelodiscus parvihormis
・スッポン(別名:キョクトウスッポン、アジアスッポン、ヒガシアジアスッポン)
学名:Pelodiscus sinensis
12.ハナスッポン属 Rafetus
・メソポタミアハナスッポン
学名:Rafetus euphraticus 英名:Euphrates softshelled turtle
・シャンハイハナスッポン
学名:Rafetus swinhoei 英名:Shanghai softshell turtle
13.ナイルスッポン属 Trionyx
・ナイルスッポン(別名:アフリカスッポン、ナイルスッポン)
学名:Trionyx triunguis 英名:African softshell turtle
※絶滅属・絶滅種は除く
引用: Wikipedia