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ニホンイシガメ(イシガメ)の飼い方・飼育方法

ニホンイシガメ(イシガメ)の飼い方・飼育方法

ニホンイシガメが正式名称で、別名のイシガメ、ゼニガメ(幼体)として世間に知られている。
「飼育中のカメ人気ランキング」3位と最も人気の高いカメだと言える。

イシガメ科イシガメ属9種のうちの1種である。

最大甲長21㎝。スよりもメスの方が大型になり、オスは最大でも甲長14.5㎝。日本固有のカメで、甲羅が美しい色合いを持つ。ミシシッピアカミミガメやクサガメよりもやや飼育が難しいが、人気が高まっている。希少性があり、保護の対象ともされている。

注意点:ニホンイシガメは野生種保護の観点から、適切な手続きと配慮が必要。
飼育難易度:中級者向け
寿命:約30~50年

ニホンイシガメは、比較的飼育しやすいカメとして人気がありますが、適切なケアが必要です。???
以下に、ニホンイシガメの基本的な飼い方と飼育方法を詳しく説明します。

ニホンイシガメの写真

ニホンイシガメ飼育のレイアウト

ニホンイシガメの飼い方・飼育方法の5つのポイント

ニホンイシガメの飼い方・飼育方法の5つのポイント

ニホンイシガメを飼う際には、以下の5つのポイントを押さえることが重要です。

  1. 飼育環境
  2. 温度管理(温度と湿度)
  3. 食事・餌(えさ)
  4. 健康管理(ケアと注意点)
  5. ハンドリング
カメの飼育環境

1. 飼育環境

水槽:ニホンイシガメが成長することを考慮して、大きめの水槽(最低でも60cm以上)を用意します。ニホンイシガメは泳ぎ回るスペースが必要です。広いスペースがあれば、ニホンイシガメはより健康に育ちます。

水量:水深はカメが完全に潜れる程度にしますが、最初は浅めにし、慣れてきたら深くしても問題ありません。

陸地:ニホンイシガメは半水棲のため、休息や日光浴のための陸地を用意します。浮島・岩・流木などを使うと良いでしょう。

ろ過装置・フィルター:水を清潔に保つために、外部フィルターや底面フィルターを設置しましょう。

水替え:水は定期的に部分的に交換します。夏場は週に1回、冬場は2~3週間に1回が目安です。水替えの際は、全水換えではなく部分換え(3分の1程度)を行い、水質ショックを防ぎます。

温度管理(温度と湿度)

2. 温度管理(温度と湿度)

水温管理:ニホンイシガメは変温動物なので、環境温度が重要です。水槽の一部にヒーターを設置し、水温と空気温を保つことで健康を維持します。水温は約24~26℃が適していますが、冬場は少し下げても大丈夫です。冬眠させない場合は、ヒーターで水温を維持します。

紫外線ライト:紫外線はカルシウムの吸収に必要です。紫外線ライト(UVBライト)を使用し、日光の代わりにビタミンD3の合成を助け、甲羅や骨の健康を保ちます。また、日中用のライトで昼夜のリズムを作ることも重要です。日光浴をさせる場合は、屋外で30分程度が理想です。

バスキングライト:陸地に向けてバスキングライト(加熱用ランプ)を設置し、日光浴のための暖かい場所を提供します。バスキングスポットの温度は30~35℃程度が理想です。

カメの食事・餌(えさ)

3. 食事・餌(えさ)

市販のカメ用フード:ニホンイシガメは雑食です。ニホンイシガメ用のペレットやフードをメインに与え、次のようなものを与えます。

生き餌:ミミズ・コオロギ・小魚・エビなども栄養価が高いため、時折与えると良いです。

野菜:小松菜・ほうれん草・キャベツ・にんじんなども適度に与えます。カルシウム不足を防ぐために、野菜にカルシウム剤を振りかけるのもおすすめです。カルシウム補給のため、カットルボーン(セピアボーン)を与えることも有効です。

果物:リンゴ、バナナ、イチゴなど

カメの健康管理(ケアと注意点)

4. 健康管理(ケアと注意点)

甲羅の状態:甲羅が柔らかくなっていたり、白いカビのようなものが生えていたりする場合は、栄養不足や不適切な環境が原因かもしれません。

目や鼻の健康:目が腫れている、鼻水が出ているなどの症状があれば、呼吸器系の病気の可能性があるので、早めに獣医に相談しましょう。

定期的なチェック:目や甲羅、皮膚に異常がないか定期的に確認します。

病気:カメは甲羅の病気や皮膚病、水質悪化による呼吸器系の病気にかかりやすいため、早期発見が大切です。

冬眠:ニホンイシガメは冬眠することがあります。冬眠させる場合は、冬場に水温を15℃以下に下げ、暗く静かな場所で過ごさせます。ただし、飼育下で無理に冬眠させない選択肢もあり、水温を一定に保てば冬眠させないことも可能です。

注意点:ニホンイシガメは長寿命(20~40年)なので、長期的な飼育を覚悟しましょう。逃げ出しやすいので、水槽にはしっかりとフタをしますが、換気は十分に確保します。

カメのハンドリング

5. ハンドリング

ニホンイシガメ(日本石亀)のハンドリングには、慎重さと注意が必要です。以下は基本的なハンドリングの手順と注意点です。

ニホンイシガメのハンドリング手順
両手で持ち上げる:カメを持つ際は、両手を使って安定した状態で持ち上げます。背中側からアプローチし、甲羅の両サイドをしっかりと掴むようにします。片手だけで持つと、驚いて暴れたり、落としてしまう危険があります。

甲羅をしっかりと支える:ニホンイシガメの甲羅は丈夫ですが、カメ自身が動くことがあるため、しっかりと支えて安定感を保つことが重要です。カメが前足や後ろ足で体を持ち上げるような動きをすることがあるため、しっかりと支えましょう。

頭や手足に触れない:ニホンイシガメは、驚いたりすると頭や手足を引っ込めますが、場合によっては防衛反応として噛むことがあります。特に顔周りや足には直接触れないようにし、ストレスを与えないように気を付けます。

短時間で済ませる:カメは環境の変化に敏感で、ハンドリングはストレスになることが多いです。そのため、ハンドリングは必要最小限にし、長時間の取り扱いは避けましょう。

ハンドリング時の注意点
静かな環境で行う:急な音や動きに驚きやすいので、静かな環境でゆっくりと行います。

地面に近い場所で行う:万が一カメが暴れて落ちてしまった場合のことを考え、地面に近い位置でハンドリングするのが安全です。

健康状態を確認する:体調が悪そうな場合や、怪我をしている場合は無理にハンドリングせず、安静にさせて様子を見ます。必要に応じて専門家に相談しましょう。

ニホンイシガメを適切に取り扱うことで、カメにストレスを与えず、より良い関係を築くことができます。

ニホンイシガメ(イシガメ)の飼い方・飼育方法のまとめ

ニホンイシガメの飼育難易度は、中級者向け程度とされています。上記の点を考慮すれば、比較的初心者でも飼育が可能です。
初心者でも適切な環境とケアを提供すれば長く健康に育てられるカメですが、温度や水質管理、食事バランスに細かく気を配る必要があります。

飼育にあたっては、個々のカメの性格や成長に応じて、環境を調整することが大切です。
ニホンイシガメは飼育が比較的容易ですが、自然環境を再現し、適切に世話をすることで健康に長生きさせることができます。

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