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クサガメの飼い方・飼育方法

クサガメの飼い方・飼育方法

クサガメが正式名称で、別名のゼニガメとして世間に知られている。
「飼育中のカメ人気ランキング」2位と最も人気の高いカメだと言える。イシガメ科イシガメ属9種のうちの1種である。

最大甲長30cm。オスよりもメスの方が大型になり、オスは最大甲長19.9cm。
日本で自生するカメの一種で、北は北海道から南は沖縄まで日本中に生息している。

丈夫で飼育しやすいため初心者に人気な種。安価で入手しやすいのも人気の理由。ひと昔前は人気は高かったが、大きくなることが理由で人気が低下しているものの、日本国内での人気はいまだに高い。

注意点:大きく成長(最大甲長30㎝)するため、大きな水槽や適切な水質管理が必要。耐寒性があり、屋外での飼育にも向いている。水槽でも飼育可能
飼育難易度:初心者向け
寿命:約20~30年

クサガメは、比較的飼育しやすいカメとして人気がありますが、適切なケアが必要です。
以下に、クサガメの基本的な飼い方と飼育方法を詳しく説明します。

クサガメの写真

クサガメ飼育のレイアウト

クサガメの飼い方・飼育方法の5つのポイント

クサガメの飼い方・飼育方法

クサガメを飼う際には、以下の5つのポイントを押さえることが重要です。

  1. 飼育環境
  2. 温度管理(温度と湿度)
  3. 食事・餌(えさ)
  4. 健康管理(ケアと注意点)
  5. ハンドリング
カメの飼育環境

1. 飼育環境

水槽:クサガメは泳ぐのが得意なため、大きめの水槽を用意します。60cm以上の水槽が理想的で、成長すると更に広いスペースが必要です。クサガメは成長すると甲長が15~20cmになるため、十分なスペースが必要です。幼体でも60cm以上の水槽を、成体には90cm以上の水槽を用意します。

水深:クサガメは泳ぐのが得意ですが、陸上での日光浴も必要です。水深はカメの甲長の1.5倍程度が理想です。カメが自由に泳げる深さが理想ですが、カメが顔を上げて呼吸できるように浅い部分も用意します。

陸地(バスキングスポット):クサガメは日光浴が必要なので、水槽内に乾燥した場所(陸地)を作ります。水槽の一部に石や陸地用のプラットフォームを設置し、そこに上がれるようにします。水槽内に陸地を設け、カメが体を乾かせる場所を作ります。岩や専用の浮島を使うとよいでしょう。

水質管理
フィルター:水の汚れを防ぐために、水中フィルターを使用します。カメの糞や食べ残しが水を汚すので、定期的な水換え(週1回程度)が必要です。カメの排泄物で水が汚れやすいため、強力なフィルターを設置し、水質を保ちます。

水換え:全水換えはカメにストレスを与えることがあるので、部分的な水換えをおすすめします。定期的な水換えも重要です。フィルターがあっても、週に一度は部分的に水を交換しましょう。

温度管理(温度と湿度)

2. 温度管理(温度と湿度)

水温:水温は24~28℃が理想的です。ヒーターを使って温度を一定に保ちます。

紫外線ライト:カルシウムの代謝を促進するために、紫外線Bを照射するUVBライトが必要です。カメはビタミンD3を生成するために紫外線(UVB)が必要です。水槽の上にUVBライトを設置し、日光浴エリアを照らします。
ライトのオンオフは日光のリズムに合わせ、1日12時間程度照射します。

バスキングライト:陸地の温度を高く保つためにバスキングライトを使用します。温度は30~35℃が目安です。

カメの食事・餌(えさ)

3. 食事・餌(えさ)

主食:市販のカメ用の餌(ペレット)が主食として良いです。栄養バランスが取れており、成長に必要なビタミンやカルシウムが含まれています。クサガメには市販のカメ用フードや乾燥エビを与えます。成長期にはタンパク質が多めの餌が必要です。

副食:成体になると植物性の餌も重要になります。野菜(ホウレン草、チンゲン菜、サラダ菜、小松菜など)や、タンパク質として小魚、エビ、ミミズなどを与えても良いです。ただし、与えすぎないように注意しましょう。

カルシウム補給:甲羅や骨の健康のためにカルシウム剤を餌に混ぜるか、カトルボーン(イカの骨)を与えます。

頻度:幼体は毎日、成体は2〜3日に一度の給餌で十分です。

カメの健康管理(ケアと注意点)

4. 健康管理(ケアと注意点)

甲羅のケア:甲羅が柔らかくなったり、白い斑点ができた場合は、栄養不足や日光浴不足が原因かもしれません。UVBライトやバランスの取れた餌を提供することで予防できます。

甲羅のチェック:甲羅が柔らかくなったり、白く変色したりするのは病気の兆候です。早めに獣医に相談しましょう。

活動量と食欲:食欲がない、動きが鈍い場合も体調不良の可能性があります。

定期的なチェック:目や口、甲羅の状態を観察し、異常がないか確認しましょう。病気にかかると早期治療が必要です。

冬眠:クサガメは日本の気候に適応しているため、冬眠をすることがあります。水温が15℃を下回ると冬眠に入ることがありますが、飼育下では無理に冬眠させる必要はありません。水温を24〜28℃に保つことで、活動を維持できます。

注意点:カメは長寿なペットであり、適切なケアをすれば数十年生きることもあります。しっかりとした環境を整えて、健康に飼育しましょう。
このガイドに従えば、クサガメ(ゼニガメ)を快適に飼育することができます。

カメのハンドリング

5. ハンドリング

クサガメ(ゼニガメ)のハンドリングについては、カメや飼い主の安全を確保するためにいくつかの注意点があります。以下に具体的なハンドリングのポイントをまとめました。

落ち着いた環境で行う:カメは驚きやすい動物です。急に持ち上げられるとストレスを感じたり、暴れたりすることがあります。静かで落ち着いた場所でゆっくりと接するようにしましょう。

両手でしっかりサポート:カメを持つ際は、両手で甲羅の側面を持ち、安定させることが大切です。甲羅の後ろ部分だけを持つと、足をばたつかせて暴れたり、カメが落下する危険があります。甲羅全体を両手で支えて安定させましょう。

甲羅の下を支える:ゼニガメのような水棲カメは、ハンドリング中に足を動かして逃げようとすることがあります。甲羅の下に手を差し入れて、しっかりと支えると、カメが安定して安心します。

顔に近づけすぎない:カメは驚いたり恐怖を感じると、噛みつくことがあります。カメの顔の近くに手を持っていかないようにし、カメが安心できるようにしましょう。

無理にハンドリングしない:カメは基本的に触られることを好まない生き物です。頻繁なハンドリングはストレスを与える可能性があるので、必要がある場合のみ行いましょう。また、食事の直後や冬眠中、体調が悪い時などはハンドリングを避けるべきです。

手を洗う:ハンドリングの前後には必ず手を洗うことが大切です。カメはサルモネラ菌を持っていることがあるため、衛生面にも気をつけましょう。

以上のポイントを守ることで、クサガメとの良好な関係を築きながら、安全にハンドリングができます。

クサガメの飼い方・飼育方法のまとめ

クサガメは屋外での飼育にも向いているカメで、くれぐれもクサガメにストレスを与えないような広いスペースで飼育しましょう。

クサガメの飼育は適切な環境を整えることで長生きさせることができます。水質管理、温度調整、バランスの取れた餌の提供を心がけ、健康を維持しましょう。

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