オオアタマガメの種類と特徴
オオアタマガメの特徴:オオアタマガメ科3種類の写真、オオアタマガメの10の特徴、分布(生息地域)、形態・サイズ、寿命、生態(生活状態)、食性(食べ物)、繁殖形態、人間との関係、ペットとしての飼育などのオオアタマガメの特徴についてご紹介します。
オオアタマガメの種類:オオアタマガメ科(1属3種類)もご紹介します。
目次
Toggleオオアタマガメ3種類の写真
オオアタマガメの特徴
オオアタマガメ科(Platysternidae)は、単型科であり、オオアタマガメ(Platysternon megacephalum)のみを含む非常に珍しいカメの一種です。
以下に、その特徴を分布、生態、形態などの要素ごとに詳しく説明します。
分布(生息地域)
オオアタマガメは、主に東南アジアに分布しており、以下の国々に生息しています。
- 中国南部(雲南省、広西チワン族自治区など)
- ミャンマー
- タイ
- ラオス
- ベトナム
主に標高の高い山地の冷涼な森林の淡水域(川、渓流、池)に生息しています。清流や冷たい水を好むため、自然環境は限定されています。
中華人民共和国(安徽省南部、広東省、江西省、江蘇省南部、湖南省、浙江省、福建省、香港<雲南省、四川省南部、貴州省、広西チワン族自治区に分布するとする説もあり>)
模式標本の産地(模式産地)は中華人民共和国。
ビルマオオアタマガメ
カンボジア北東部、タイ北部および西部、ベトナム中部、ミャンマー南部および東部、ラオス(中華人民共和国<雲南省、海南省、貴州省、四川省南部、広西チワン族自治区>に分布する可能性あり)
模式産地はペグー(ミャンマー)で、亜種小名peguenseは「ペグー産の」の意。
オオアタマガメ
ベトナム北東部(中華人民共和国<雲南省南東部、海南省、広西チワン族自治区南部など>に分布する可能性あり)
模式産地はランソン省(ベトナム)。
形態・サイズ
オオアタマガメの名前の通り、非常に大きな頭部が特徴的です。この頭は甲羅に対して異常に大きく、首を甲羅の中に引っ込めることができません。頭部は強い顎を持ち、硬い貝や小さな動物を噛み砕くことが可能です。
甲長:最大で約20cm程度(性成熟した成体)最大甲長21.5センチメートル。メスよりもオスの方が大型になる。
体重:通常は約1.5~2kg
甲羅:甲羅は平たくて広いが、他のカメと比べて厚みが少ない。色は暗褐色やオリーブグリーン。背甲は非常に扁平。
上から見ると第8-9縁甲板で最も幅広い個体が多いが、第4縁甲板の位置で最も幅広い個体や第6縁甲板の位置でくびれる個体もいる。背甲の前端は広く深い切れ込みが入る。甲板の成長輪は不明瞭。背甲の色彩は褐色、黄褐色、暗黄色などで、個体よっては色の濃淡や斑紋が入り変異が大きい。背甲と腹甲の継ぎ目(橋)は細く、3-5枚(主に3枚)の下縁甲板がある。腹甲は大型。属名Platysternonは「平たい胸」の意で、腹甲の胸部が平らなことに由来すると考えられている。
頭部は非常に大型で、甲高と同じくらい分厚い。種小名megacephalumは「巨大な頭」の意で、和名や英名(big-headed=大きな頭の)と同義。頭部が大型で分厚く、甲羅も扁平なため甲羅の中に頭部を引っ込めることができない。
頭部背面は1枚の大型鱗で覆われる。顎を覆う角質(嘴)は大型で分厚く、頭部背面の大型鱗と嘴で頭部の大部分が覆われる。吻端はやや突出し、上顎、下顎の先端は鉤状に尖る[3]。咬合面はやや幅広く、上顎には稜がある。頭部の色彩は褐色や黄褐色、暗褐色、暗黄色。四肢は頑丈で、指趾の間には水かきがある。尾は非常に長く、甲長と同じ長さか甲長よりも長い。
幼体は椎甲板に筋状の隆起(キール)があり、後部縁甲板の外縁が鋸状に尖る。キールや縁甲板の突起は、成長に伴い不明瞭になる。
オスはメスに比べると背甲が細いうえに甲高が低く、背甲が中央部でくびれる傾向がある。オスの成体は尾が太くて長く、尾をまっすぐに伸ばした状態では総排泄口全体が背甲の外側に位置する。メスの成体は尾が細いうえに短く、尾をまっすぐに伸ばしても総排泄口が背甲よりも内側にある。
寿命
野生下での正確な寿命は不明ですが、飼育下では20~30年生きることが知られています。
飼育環境や食餌の質により寿命が左右されることがあります。
生態(生活状態)
オオアタマガメは半水生で、主に水辺に生息していますが、時折陸上に上がることもあります。活動は夜行性であり、日中は岩の下や水中の隠れ家に身を潜め、夜間に餌を探して動き回ります。
運動能力:水中では比較的ゆっくりと泳ぎますが、脚を使って素早く岩を登ったり、地面を歩いたりすることも可能です。強力な尾と爪を持ち、登攀能力にも優れています。
敵からの防御:頭部を守るために、甲羅が硬く、特に首周りの防御力が高いです。頭を守るのではなく、敵に向かって攻撃することもあります。
丘陵や低山地にある谷川や渓流に生息し、川幅1メートル、水深0.1メートルほどの細流を好む。夜行性で、昼間は岩の隙間などで休む[3]。尾の力は強く、枝などに巻きつける事ができる。
食性(食べ物)
オオアタマガメは主に肉食性で、自然界では以下のような餌を捕食します。
- 魚類
- カエルやオタマジャクシ
- カニやエビなどの甲殻類
- 軟体動物(貝類など)
- 昆虫やその他の無脊椎動物
飼育下では、魚、エビ、昆虫(コオロギなど)や市販のカメ用のペレットフードが与えられることが多いです。
自然化では動物食で、昆虫、甲殻類、貝類、魚類、両生類の幼生、動物の死骸などを食べる。
繁殖形態
オオアタマガメの繁殖についてはまだあまり詳しく知られていませんが、以下のようなことが報告されています。
●繁殖期は春から初夏にかけてです。
●メスは地面に2~3個の卵を産むことが知られています。
●卵は、数ヶ月間かけて孵化し、その間は湿度や温度が重要な要素となります。
基亜種は6-9月に1回に1-3個の卵を数回に分けて卵を産んだ例がある。
人間との関係
オオアタマガメはその独特な外見と生息地の限られた範囲のため、希少種とされています。生息地の破壊や捕獲が原因で個体数が減少しており、IUCN(国際自然保護連合)では絶滅危惧種に指定されています。
また、オオアタマガメは違法取引の対象にもなっており、ペットや食用として不法に捕獲されることがあります。
生息地や中華人民共和国では食用や薬用とされることもある。
開発による生息地の破壊、食用や薬用、ペット用の乱獲などにより生息数は激減している。2003年にワシントン条約附属書IIに掲載された。2013年に科単位でワシントン条約附属書Iに掲載された。
ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。以前は流通量が多かったが、1990年代後半から流通量が減少しワシントン条約に掲載されたことで流通量が激減した。
やや高温に弱く、水温の高い環境では餌を食べなくなったり状態を崩すことが多い。また水質の悪化にも弱く、高い頻度で水道水による水替えを行うと真菌性の皮膚病にかかることがある。
飼育下では配合飼料や乾燥飼料に餌付く個体もいる。四肢や尾を使い立体的な活動もするため、脱走されないようにする。
ペットとしての飼育
オオアタマガメは非常に特殊な環境を必要とするため、飼育は難しく、初心者向けのペットではありません。
- 飼育環境:水質や水温が非常に重要で、清涼な流れのある水環境を提供する必要があります。水温は18~22℃が理想的です。
- 餌:自然界に近い餌(生魚、エビなど)を与えることが推奨されますが、市販の餌にも適応します。
- 性格:攻撃的な一面があり、人に馴れるのは難しいです。特に大きな顎で噛まれると大きな怪我につながる可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。
オオアタマガメの特徴のまとめ
保護の観点からも、飼育を行う際には適切な許可や倫理的な責任が求められます。
オオアタマガメ 10の特徴
オオアタマガメの特徴を説明します。
・頭が非常に大きい:体に対して頭部が著しく大きく、強力な顎を持つ。
・首を引っ込めることができない:頭が大きすぎるため、首を甲羅の中に引っ込めることができない。
・尾が長い:他のカメに比べて非常に長い尾を持つ。
・体色は茶色や暗褐色:甲羅は暗褐色や茶色で、体全体も同様の色をしている。
・水陸両方に適応:主に水辺で生活し、泳ぎや潜水が得意だが、陸上でも活動することができる。
・硬い甲羅を持つ:甲羅は非常に頑丈で、外敵から身を守るために役立つ。
・強力な顎:口の力が強く、獲物を捕らえる際に非常に効果的。
・主に小動物や魚を捕食:食性は肉食寄りで、小魚や無脊椎動物を捕食する。
・東南アジアが生息地:中国南部、ベトナム、ラオス、ミャンマー、タイなどの東南アジアに広く分布している。
・絶滅危惧種:生息地の減少や乱獲により、IUCNのレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。
オオアタマガメの種類
オオアタマガメ科(1属3種類)Platysternidae
オオアタマガメ属 Platysternon megacephalum
・チュウゴクオオアタマガメ
学名:Platysternon megacephalum megacephalum 英名:Chinese big-headed turtle
・ビルマオオアタマガメ
学名:Platysternon megacephalum peguense 英名:Burma big-headed turtle
・ベトナムオオアタマガメ(シウイオオアタマガメ)
学名:Platysternon megacephalum shiui 英名:Vietnam big-headed turtle
※絶滅属・絶滅種は除く
引用: Wikipedia