フタヅノカメレオン属 (Kinyongia) は、独特な身体構造や行動で知られるカメレオン科の一群です。
以下に、その10の特徴を詳しく説明します。

頭部の角や突起
特にオスは、頭部に角や突起を持つ種が多くいます。これらの角は、主に縄張り争いやメスへのアピールに使われると考えられます。代表的な種には、2本の角を持つフタヅノカメレオンがあり、その角は鼻の上から前方に突き出しています。

鮮やかな体色と色変化能力
フタヅノカメレオン属は鮮やかな体色を持つことが多く、青、緑、黄色、赤など多彩な色合いを見せます。カメレオン全般に共通する色変化能力を持ち、環境に合わせたカモフラージュ、気分や体調の変化、求愛行動、縄張りの主張など、様々な状況で色を変えます。

独立可動する眼球
眼球は独立して動くことができ、左右の目を異なる方向に向けることができます。これにより、獲物や捕食者を360度見渡すことができ、視野が広がります。獲物を狙う際には両眼を同じ方向に向けて視覚を統一し、正確な距離感を測ることができます。

舌の射出による捕食
長い舌を瞬時に伸ばして獲物を捕らえる能力を持っています。舌は体の2倍ほどの長さに達し、粘着性の先端で獲物を素早く捕らえます。主に昆虫を捕食しますが、時には小さな脊椎動物も獲物にします。

ゆっくりとした動き
カメレオンの動きは非常にゆっくりしており、捕食者から見つかりにくくするための戦略です。四肢をゆっくりと前後に揺らすことで、風に揺れる葉のように見えることもあります。特に枝や葉の上を移動する際には、慎重な動きが目立ちます。

鉤爪としっかりした足
フタヅノカメレオンは樹上生活に適応しており、鉤爪状の指を持つことで木の枝をしっかりと掴むことができます。前足と後足にはそれぞれ5本の指があり、独特な配置で2本と3本の指が互いに向き合う形で発達しているため、枝を掴むのに非常に効果的です。

長い尾
フタヅノカメレオンの尾は、木の枝を掴むための補助器官として重要です。長く強力な尾を持ち、それを使ってバランスを取りながら枝にしがみつきます。尾は巻きつけて安定させることができる「巻き尾」として機能し、樹上生活での移動に役立ちます。

性差
オスとメスの間には明確な性差があることが多いです。オスは通常、メスよりも大きく、頭部に角や突起がより発達しています。また、色彩の鮮やかさや体の模様も異なることがあります。これは主に、繁殖行動における競争やアピールに関連しています。

繁殖行動
フタヅノカメレオン属のカメレオンは卵生で、メスは1度に数個から数十個の卵を産みます。卵は土中に埋められ、孵化するまで数か月かかります。オスは繁殖期に縄張りを主張し、メスを巡って他のオスと争うことがよくあります。

生息地
フタヅノカメレオン属は主にマダガスカルの熱帯雨林に生息していますが、一部の種は乾燥した森林やサバンナにも適応しています。樹上生活が中心ですが、時には地上にも降りることがあります。

これらの特徴により、フタヅノカメレオン属は非常にユニークで、進化的に特異なカメレオンの一群として知られています。